車両保険っている?いらない?見直しで年間数万円節約できる可能性も
「なんとなく加入している」ではもったいない固定費
自動車保険の中でも、車両保険は保険料全体の30〜50%を占めることが多いとされています(日本損害保険協会などによる統計より)。
にもかかわらず、「なんとなく入っている」「保険会社にすすめられるまま継続している」という方も少なくありません。
車両保険は、自分の車にかける「安心料」です。だからこそ、自分の状況に本当に合っているのかどうか、定期的に見直すことでムダな出費を防ぐ事ができます。
車両保険とは?補償内容と種類の基本
車両保険は、自分の車が事故・盗難・自然災害などで損傷した場合に、その修理費や時価額を補償する保険です。
主な補償対象
- 交通事故による損傷(自損事故含む)
- 当て逃げ、車上荒らし、盗難
- 台風・洪水・落下物などの自然災害
- 火災・爆発など
補償内容に応じて、主に以下の2タイプがあります。
- 一般型(フルカバー):自損事故・当て逃げも補償される最も広い範囲
- エコノミー型(限定カバー):相手車両との事故や災害は対象だが、自損事故などは対象外
加入すべき?不要?判断のための具体的ケース
加入を検討すべきケース
- 新車・高額車両に乗っている人
→ 修理費が高額になりやすく、保険で備えるメリット大 - ローン返済中の車
→ 万一の全損でもローンが残る場合、保険でカバーできると安心 - 盗難や自然災害リスクの高い地域に住んでいる人
→ 例:台風が多い九州、豪雪地帯の東北、都心の屋外駐車場など - 運転に不安がある人(高齢者・初心者など)
→ 自損事故リスクに備える意味で、限定型でも加入しておくと安心 - テレワークなどで使用頻度が減っている人
→ 走行距離に応じて保険料が安くなる「走行距離割引」がある会社も(ソニー損保、チューリッヒなど)
見直し・外すことを検討してもよいケース
- 5年以上経過した普通車・時価額30万円以下
→ 補償額より保険料の方が高くなることも - 数年間、車両保険を使っていない
→ 「安心料」としての費用対効果が見合っていない可能性 - 自己資金で修理・買い替えが可能
→ 自己リスクを受け入れられるなら、加入しない選択肢も現実的
具体的な事例:見直しで保険料がどう変わる?
例:5年落ち・時価額50万円の普通車(エコカー)に乗るAさんの場合
- 一般型車両保険付きで年間保険料:約8万円
- エコノミー型に切り替え+免責5万円設定で:約4.5万円
- 年間約3.5万円の節約に(同等の対人・対物・人身補償は維持)
※保険会社、等級、免許色により差があります。あくまで一例です。
判断のための5つのチェックポイント
以下の質問に当てはまる項目が多いほど、見直しのタイミングが近いと言えるでしょう。
- 現在の車の時価額は30万円以下である
- 修理費10万円程度なら自己負担できる余裕がある
- 屋根付きの安全な駐車場に置いている
- ここ数年、保険を使ったことがない
- 毎年の保険料が高いと感じている
また、見直しのタイミングとしておすすめなのは、以下の時期となります。
- 保険の更新時
- 車検のタイミング
- 車の買い替え時
- ライフスタイルや収入の変化があったとき
見直すなら、どう工夫すればいい?
車両保険を完全にやめる前に、以下のような「段階的な見直し」を検討するのがおすすめです。
- 一般型→エコノミー型へ変更:補償は絞るが安心感は残る
- 免責金額(自己負担)を引き上げ:保険料は下がり、軽微な損害は自腹に
- 複数社を比較する:割引条件(ゴールド免許、年間走行距離など)は保険会社ごとに異なる
- 保険比較サイトを使う:価格.com保険や保険スクエアbang!などで見積もり可能。10分で相場感がつかめます
車両保険を外す場合の注意点
車両保険をやめるなら、代わりに以下の補償をしっかり整えておくことが大切です。
- 対人・対物賠償保険は無制限が原則
- 人身傷害保険・搭乗者傷害保険の見直しも併せて
- 補償を「削る」のではなく「整理する」という意識で進めましょう
まとめ:車両保険は「安心料」だからこそ納得して選びたい
車両保険は「保険料が高いからやめるべき」ではなく、自分の車の価値や生活リスクに合っているかどうかで判断するべき補償です。
- 加入しっぱなしではなく、見直すことも保険の使い方
- 見直しの結果、「残す」「切り替える」「外す」いずれも正解になり得ます
- 大切なのは、今の自分に合った備え方かどうかを理解すること
まずは保険証券を見直し、車両保険の補償額と年間保険料を確認してみましょう。一度の判断で、年間数万円の違いが生まれる可能性もあります。
